電子ピアノの上手な選び方

電子ピアノで練習するポイント

電子ピアノは、設定や弾き方で演奏時の感触や聞こえ方が大きく変化します。

自分仕様に設定を変えられるのはとても便利なのですが、使い方によってはせっかく練習をしてもその効果が薄れてしまうので、電子ピアノで練習をする際に気をつけたい「いくつかのポイント」をご紹介します。

音量

音量を調節できるのが電子ピアノの長所の1つですが、音量を絞って練習するのはできれば避けた方がよいでしょう。

その理由は、音量に対する繊細な感覚が麻痺してしまうからです。

アコースティックピアノを弾いたことのある方なら分かると思いますが、ピアノは本当に音の幅が広く、指の力の加減で小さな音から大きな音まで出すことができます。

キー降下のスピードが増せばハンマーが弦を打つスピードも増加するので、自分の指が鍵盤に降下する速度をほんの少し上げただけで、音がすごく大きくなるんです。

ピアノの醍醐味といえば、この音量と音色の変化の大きさでしょうが、それに対応できる技術を得るのは本当に難しいことです。

電子ピアノはアコースティックピアノとは違い、音量を絞れば普通に小さな音が出せてしまいますし、設定音量よりも大きな音は出ないので、必要以上に力んで鍵盤を叩く悪いクセが付いてしまう可能性もあります。

その電子ピアノの音量に慣れた状態で本物のピアノを弾くとどうなるかというと、音の強弱の変化を出すことができず、ガチャガチャとうるさいだけのメリハリのない演奏になってしまうことでしょう。

また、小さな音量だと演奏の粗が目立たず、何となく弾けているような気分になり、自分の耳を甘やかすことになってしまいます。

アコースティックピアノはもともと大きな音が出せる楽器ですので、やはり電子ピアノでもそれに近い設定で練習をするのがベストです。

スピーカーで音を出して練習できるのであればそれが一番ですが、もしヘッドホンを利用する場合も、なるべく大きめな音に調整することをオススメします。

※ヘッドホンも製品によって差があります。
一般的なオーディオ用のヘッドホンは、TVや音楽プレイヤーが発する音域が聴きとりやすいように設計されているのに対し、電子ピアノ用ヘッドホンは、低音から高音まで幅広い音域をフラットに発音することができます。
均一に音が出るということは、電子ピアノを弾く際に正しい指の力で弾くことができます。
また、よいヘッドホンを選ぶことによって、耳への負担も軽減し、長時間練習しても耳が疲れにくくなります。

鍵盤の弾き方

電子ピアノはセンサーが反応した時点で音が出るので、打弦するアコースティックピアノと比べると少ないエネルギーで音が鳴ります。

これが「電子ピアノだとタッチが弱くなる」といわれる理由です。

それでは、電子ピアノでは強いタッチを身につけられないのかというと、決してそんなことはありません。

アコースティックピアノと電子ピアノの音が鳴る仕組みは異なりますが、実際に指で鍵盤を押す深さはどちらも1cm程です。

つまり、大切なのは鍵盤の動かし方ということになります。

中~大くらいの大きさの音を鳴らすときには、指を鍵盤にのせた状態から、すばやくコツンと音が鳴るくらい鍵盤を底に当てるように動かしましょう。ハンマーが勢いよく弦を打つイメージで、腕などの重さをかけるように、深く打鍵するのがコツです。

タッチ感度を変更する

電子ピアノには、鍵盤のタッチ感度を変更できる機能があります。

たとえば弱いタッチで大きい音を出すことができる設定や、強いタッチで弾かないと大きい音が出にくい設定などがあり、その機能はメーカーによってキー・タッチやタッチレスポンス等と呼ばれます。

通常、電子ピアノの電源を入れた時にタッチ感は標準の設定になっているはずなので、鍵盤が軽いと感じる場合は「重め」の設定に変更してみましょう。

録音機能を活用する

電子ピアノがアコースティックピアノに勝るのは、「録音練習が手軽にできる」ところです。

録音した自分の演奏を客観的に聞き、上手く弾けていない部分を重点的に練習し、修正を加えるという作業は、上達への最短の道じゃないかと思います。

自宅で録音練習を繰り返し、ある程度曲の形ができていれば、本物のピアノで弾く際にもあまりひどい演奏にはならないでしょう。

ペダルの踏み方

使われる頻度がもっとも高い「ダンパーペダル」は、踏むと打鍵した音が伸び、長く響かせることができますが、電子ピアノではその効果を電子的に再現しています。

電子ピアノやキーボードにはダンパーが付いていないことから「ダンパーペダル」とは言わずに、音を伸ばすという意味の「サスティンペダル」と呼ぶことが多いようです。

ダンパーペダルを踏む時間が必要以上に長いと、音が濁って汚くなるものですが、電子ピアノの場合はペダルを踏みっぱなしにしていても音の濁りが少なく、きちんとしたペダルの踏み替えが身についていなくても案外気にならずに弾けてしまいます。

ペダルを踏み替えるタイミングには決まりがありますので、何度も繰り返し練習をして、意識しなくても自然とできるように体に覚えこませることです。

しっかりとした基礎ができていれば、アコースティックピアノでの演奏も音が濁らず、きれいに弾くことができるでしょう。

電子ピアノであれアコースティックピアノであれ、特に最初のうちはレッスンで習ったことを家でしっかりと反復練習することが大切です。